投稿作品 ~ 過去作品 Vol.13

ここは過去作品Vol.13です。(2016/5/25までの投稿)
だいたい50作品くらいを目安に、ページを分けていきます。

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(スリッパさんの作品)

(2016/5/25)

「構わんで!」、でも訪いたい彼奴、つい会いたい友で、電話魔か?
(かまわんででもといたいあいつついあいたいともででんわまか)

盛ってる、笑み生きている、母さんさ、明るい敵意、見える鉄火さ
(さかってるえみいきているかあさんさあかるいてきいみえるてっかさ)

策致し、首相そうとう勝手な手、使う闘争、諸種した戦
(さくいたししゅしょうそうとうかってなてつかうとうそうしょしゅしたいくさ)
第2次大戦下の英国首相チャーチルのブル魂

作並に、妻は目がない、良き宿や、清い眺めは、松にみな草
(さくなみにつまはめがないよきやどやきよいながめはまつにみなくさ)

「土地のみな、草枯れ焚くか、み冬の湯」、文書く誰か、作並の地と
(とちのみなくさかれたくかみふゆのゆふみかくたれかさくなみのちと)

春立つと、出てしまう皆、草餅も、作並旨し、手で採ったる葉
(はるたつとでてしまうみなくさもちもさくなみうましてでとったるは)

1・2番目のはいろいろ想像力をかきたてられる内容です。「会わなくても構わない」と言いながら、実は電話魔の友人なのか?とか、笑みをたたえながら明るい敵意のある母さんは、鉄火に何か仕込んでいるのでは…とか、想像するのも楽しいです。後半3つは作並関係ですね。毛筆で書いて作並温泉に飾りたいくらい、素晴らしいです。

(2016/5/24)

撒いた餌に、矮鶏駆けつけ、カボチャ煮、得た今
(まいたえにちゃぼかけつけかぼちゃにえたいま)
矮鶏=チャボ=昔チャンパ国から渡来したちいさな鶏

今も蚊に食われ、群れ湧くに、蚊も舞い
(いまもかにくわれむれわくにかもまい)

肌張り良しと、美しく戯れむ、わたくし苦痛、年寄りは打破!
(はだはりよしとうつくしくたわむれむわたくしくつうとしよりはだは)

わたしにか?煎れ立て番茶、あかんねん、母ちゃんバテた、冷菓にしたわ!
(わたしにかいれたてばんちゃあかんねんかあちゃんばてたれいかにしたわ)

辛さ、七味の香の、満ちし皿か
(からさしちみのかのみちしさらか)

鳴ったジングル・ベル、振るベル、軍事立つな!
(なったじんぐるべるふるべるぐんじたつな)
クリスマス停戦あり

ぐっと噛み、松茸漬けた、つまみかと注ぐ
(ぐっとかみまつたけつけたつまみかとつぐ)

焼いた飯、味覚か?深く、噛みしめたいや
(やいためしみかくかふかくかみしめたいや)
焼きお握りで、〆だ

最近の作品は、日常会話に近いと言いますか、軽めのものが多くなってきたように思います(むしろ世にある回文は、これくらいのトーンのものが多いかもしれません)。重厚なものからカジュアルなものまで、多様性があって、とても良いと思います!クリスマス停戦は、何か心に残るものがあります。

(2016/5/21)

軽く手でトントン、とんかちから「価値観」、とんとんと出て来るか?
(かるくてでとんとんとんかちからかちかんとんとんとでてくるか)
とんかち=金槌の俗語と広辞苑にあり

版画の子、棟方志功、堂々越したか?「南無、この願!」は
(はんがのこむなかたしこうどうどうこしたかなむこのがんは)
かつて青森より「わだばゴッホになる」と画家を念願し上京、のち版画で大成す

聡い質か、「わずかな!」と泣かず、分かちたいとさ
(さといたちかわずかなとなかずわかちたいとさ)

震災下、灯の浅草あり、浅草あの日、潰散し
(しんさいかひのあさくさありあさくさあのひかいさんし)
大正12年9月1日、関東大震災

森に照り、丘にみな草、萌ゆる春、湯も作並に、香りて二里も
(もりにてりおかにみなくさもゆるはるゆもさくなみにかおりてにりも)

霧立つが、夏の作並、山葵伸び、沢みな草の、繋がったりき
(きりたつがなつのさくなみわさびのびさわみなくさのつながったりき)

岸に立つ、物みな草の、黄有りけり、秋の作並、野も蔦錦
(きしにたつものみなくさのきありけりあきのさくなみのもつたにしき)

寒気澄む、作並恋し、清かな香、優しい子みな、草生す金花
(かんきすむさくなみこいしさやかなかやさしいこもなくさむすきんか)

前半の4つは自由形式、後半の4つは31文字です。回文作者にはおなじみの、作並温泉(回文の里として知られています)を詠んでいますね。春夏秋冬取り揃えていて、実に素晴らしい!

(2016/5/20)

絶つか認可、今や野良熊、咬んだ付けと決断、鎌倉の山、遺憾に狩った
(たつかにんかいまやのらくまかんだつけとけつだんかまくらのやまいかんにかった)

♫「キンコン・カンコン」冠婚期♫
(きんこんかんこんかんこんき)

各屋にフライパン、パイ、ラフに焼く香
(かくやにふらいぱんぱいらふにやくか)

機敏、サンマ飼って掴まん、三匹
(きびんさんまかってつかまんさんびき)

最初のは、私が鎌倉出身(プロフィール欄に掲載あり…)ということで作って頂きました。ありがとうございます!鎌倉の海ではなく、山の方(天園ハイキングコースとか)のイメージですね。あとの3つはこれまでになく短いもので、スリッパさんの新たな一面を見た気がします。もちろん長いものが作れる方は、短いものも簡単にできるんだと思いますが。

(2016/5/19)

管制だ、謹んでだ、「トラ・トラ・トラ」と打電しつつ、大戦果
(かんせいだつつしんでだとらとらとらとだでんしつつだいせんか)
淵田美津男隊長機「全軍突撃せよ」と指示、S16年12月8日真珠湾上空

すごく勝つべし、元々の友とも死別、覚悟す
(すごくかつべしもともとのともともしべつかくごす)
同上、第1次攻撃隊、空母より発艦

「みじめな今、家出したい」と言う子に、好意説いた師で、英邁な眼、地味
(みじめないまいえでしたいというこにこういといたしでえいまいなめじみ)

美しい、立ち退く女王、もう汚辱の痴態し、苦痛
(うつくしいたちのくじょおうもうおじょくのちたいしくつう)
その国の宰相の感想ですな

鶏足、好み無いが、炒め物もめた、意外な見残しありと
(とりあしこのみないがいためものもめたいがいなみのこしありと)
ちょっと火が通りにくいんだね!

軽く焼くとき、鰹の乙か、奇特や来る香!
(かるくやくときかつおのおつかきとくやくるか
自分でやれば分かるよ!

1、2番目のは、当サイトではこれまでになかったトーンではないでしょうか。襟を正して読みたい回文です。大体、硬派な作品の後で、少しくだけた作品も頂けるので、その変化が楽しいですね。

(2016/5/18)

蹴った死が、ナチの憎しみ、独逸勝つ、挑みし国の血流したっけ
(けったしがなちのにくしみどいつかついどみしくにのちながしたっけ)
1939年ナチス独逸、ヨーロッパ侵攻開始

地味の来るし、舞踊交流、ようよう流行呼ぶ、シルクの路
(ちみのくるしぶようこうりゅうようようりゅうこうよぶしるくのみち)
唐詩にもある、シルクロードを経て伝わる作物・文化・芸能

談論は一課内、寒日さむざむ殺人か否か、つい反論だ
(だんろんはいっかないかんじつさむざむさつじんかいなかついはんろんだ)

寝たいが、気が浮く度に、ビンタ食うガキが居たね
(ねたいがきがうくたんびにびんたくうがきがいたね)
遠くなってしまった昭和ノスタルジア

自治と致せ、「見損なう、滑稽な、せこい男」と、追い越せない、
結構なこそ、見せたい都知事

(じちといたせみそこなうこっけいなせこいおとことおいこせない
けっこうなこそみせたいとちじ)

出すミスか? 大新聞では、誤報保護は、伝聞し、抱かすミスだ
(だすみすかだいしんぶんではごほうほごはでんぶんしいだかすみすだ)
某A全国紙

「見舞う鯛、煮絡めな、得意さ!」、行くと、滑らかに炒た旨み!
(みまうたいにからめなとくいさいくとなめらかにいたうまみ)

仲悪げ、また買い足した妻と娘と、「待った!」したいか? 魂消る『和』かな
(なかわるげまたかいたしたつまとことまったしたいかたまげるわかな)

緩急取り混ぜて、頂いております。そういえば4番目のビンタって、最近あまり聞かないですね。5番目については、(私はあまり作りませんが)時事回文をテーマにしている方々は、まさにこんなのが作りたいと思っているのではないでしょうか。

(2016/5/17)

いまや財難措けさ、御代官得た宴会だ、お酒・女、いざや舞い
(いまやざいなんおけさおだいかんえたえんかいだおさけおんないざやまい)
越後屋お主も悪よのう

最晩夏に御苦労とす、葱一位、ギネス登録後に、完売さ
(さいばんかにごくろうとすねぎいちいぎねすとうろくごにかんばいさ)

噛む落胆、堰く『猿股、勝ち固まる』作戦、企むか
(かむらくたんせくさるまたかちかたまるさくせんたくらむか)
勝負下着で売り出せレトロもんさ

すごく加算起き、気象庁書記、気温差覚悟す
(すごくかさんおききしょうちょうしょききおんさかくごす)
自動入力データが狂う事ってあるよね

乞い泣かす計算、再三さ、いけ好かない娘!
(こいなかすけいさんさいさんさいけすかないこ)

覇気説いたり若いな、過信こっけいかい?結婚しかない、変わりたい時は!
(はきといたりわかいなかしんこっけいかいけっこんしかないかわりたいときは)

見よ、創りにくい花水木、飽きず皆、俳句に理屈詠み
(みよつくりにくいはなみずきあきずみなはいくにりくつよみ)

憂い逗留、不甲斐無いのも、妻以外、待つ者居ないが、風流と言う
(ういとうりゅうふがいないのもつまいがいまつものいないがふうりゅうという)

良い香立つ浅利飯、お湿りさ温かいよ
(よいかたつあさりめしおしめりさあったかいよ)
江戸の名残の味、深川辺りに

酢と炒め、やはり切干も絞り切り、早めたいとす
(すといためやはりきりぼしもしぼりきりはやめたいとす)
切干大根のお薦めレシピ?

酒の消ゆるモツ煮豆腐や、風土に積もる雪の今朝
(さけのきゆるもつにどうふやふうどにつもるゆきのけさ)

審判だ、出て立つと、物言いが良いのも、取った手で談判し
(しんぱんだでてたつとものいいがいいのもとったてでだんぱんし)
あの合議は信頼できるね

毎日頂いているのですが、更新が追い付いておらず、申し訳ありません…。すべて長い回文なのであまり気がつきませんが、一部分で見ても「創りにくい~」⇔「俳句に理屈」、「モツ煮豆腐」⇔「風土に積もる」など、回文の参考になる要素の宝庫です!


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